祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

カゼの家の庭に着くと、バーベキューセットが用意されてあり、カゼの母親が串に刺さった材料を運んでいた。



「おばちゃん、久しぶり」

「美月ちゃん久しぶり。かんなちゃんに祈ちゃんと健斗ちゃんも」

「………腹減った。早く焼いて」




4人がカゼの母に挨拶をしていると、カゼは縁側に座った。





「本当風は自分勝手なんだから。みんなに迷惑掛けてるんじゃない?ごめんなさいね、本当に」


「そんな事ないよ。カゼは無口だけど優しいし」


「そうそう。それにカゼのマイペースさにはもう慣れたよ」




キヨとイノリがそう呟くと、カゼの母は嬉しそうに微笑んだ。




5人はカゼの両親と共にバーベキューを始めた。




「やっぱりお兄さんいないね」

「昔からだろ」



キヨはイノリの隣でトウモロコシを食べながら、カゼの家を見渡していた。



カゼの家の庭にはバーベキューの煙が立ち上り、ロックを熱唱するケンの声が響いている。




「キヨ、俺さキヨに歌作ったんだ!聞いてくれる?」


「歌?いいけど……ケン酔ってるでしょ?お酒臭い」


「だってカゼのおじちゃんが勧めてくるからさぁ〜」




ケンはヘラヘラと笑い、キヨに顔を近付けてくる。




「キヨは本当可愛くなったよね。昔から可愛かったけど」

「カンナの方が可愛いよ?」

「カンナは美人でキヨが可愛いんだよ。…やべ、チューしたくなっちゃった♪」

「は!?」




驚くキヨに目が虚ろなケンが近付く。


キヨがグッと目を瞑ると影が見えた。