祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「カゼとカンナも来てたんだね」

「………窓から勝手に入った」

「カゼとカンナの方が不法侵入だよ!」



腰をさすりながらやって来たケンは、カゼとカンナを指差す。




「大丈夫だ、お前んちはパクりたい物が何もないから」

「そう言う問題じゃないだろ!!」




5人はバーベキューの時間まで、ケンの部屋でいつものように騒いでいた。




山や田んぼの独特な匂い。


都会の排気ガスや人の匂いに慣れてきた彼らは、その匂いが懐かしくて心地良かった。




暫く話し込んでいると、カゼの携帯が鳴る。



「………もし。うん、わかった。じゃ」

「誰から?」

「………母さん。用意出来たから来いって」

「わーい!早く行こう」




5人は立ち上がるとバタバタとケンの家の中を走り、カゼの家まで競争した。