２人の両親に結婚の報告をしに来たイノリとキヨ。



「やっぱり祈のお嫁さんは美月ちゃんだったわね」


「やっぱりってなんだよ」


「だって祈、小さい頃に眠ってる美月ちゃんにキスしたり、お父さんと将来の話した時『俺の将来の夢があるとしたら、キヨを一生守ってやる事だ』って言ってたし」



母の言葉を聞いたイノリはむせり出し、キヨは真っ赤になりながら目を見開いた。



「祈は小さい頃から美月ちゃんしか見えてなかったものね。私も嬉しいわ。美月ちゃんが娘になるなんて」

「あの時の祈の言葉に嘘はなかったんだな。父さんも嬉しいぞ」



イノリの父と母は２人を見つめると優しく微笑んだ。




生まれてから今まで、そしてこれからもただ一人の人間を愛する２人を心から祝福していた。




「えっと、ふつつかな娘ですが宜しくお願いします」

「それってお前が言う言葉じゃなくね？」

「え？じゃあなんて言うの？」

「お前は何も言わなくていいんだよ。今更改まる必要なんかねぇ」



イノリはポンポンとキヨの頭を叩く。




「そうよ、美月ちゃん。あなたは『これからも宜しく』だけでいいの。何も変わらないでいいのよ」

「祭ちゃーん!!」



キヨとイノリの母は嬉しそうに抱きしめ合う。



イノリと父は笑いながら２人を見つめていた。