5人でいるのが当たり前で、幸せな時間は足早に過ぎて行った。





隠されてきた真実。
イノリとの決別。
自殺行為。
カゼとお兄さんの仲。
ケンの気持ち。
妊娠と流産
イノリと華月の関係。
カゼの死。
カンナの妊娠。


イノリとの不変の愛。




上京してから5人に起きた出来事は悲惨で残酷なことばかりだった。



けれどその中で、繋がりの深さや1人の人を想い続ける大切さを知った。

微かに感じられる幸せもあった。




だからあの残酷な時を忘れたりしない。

意味のない事など1つもなかったから。



今ならそれがわかる。
そう思える。





イノリがいないと生きていけないと甘えていた自分。


自分を犠牲にして沢山傷ついてまで、愛し続けてくれたイノリ。


慰めと優しさで、消えてしまいそうな私を離さないようにと抱いてくれたカゼ。


ずっと大切にしてくれていたケン。


何があってもそばにいてくれたカンナ。




いつの間にか裏切りや嘘ばかりの世界になっていた私達の関係。



そんな世界を壊してくれたのは、築き上げてきた私達の絆だった。




だから大切にするよ。




うまく行かなかった事も
悲しい出来事も




全てが大切な日々だから。

生まれてから今までの私達が築いてきた宝物だから。



ありがとう。

カンナ
ケン
カゼ

そしてイノリ。




私達5人は、これからもずっと一緒に歩いていこうね。



カゼの姿は見えなくても、風を感じながら……






キヨは生まれてから今日までの出来事を回想していた。