祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

それはカンナが中3の頃。

頭の良い華月によく勉強を教えてもらっていた。




「かんなちゃんは風くんとどうなの?」

「へ?どうしたの、いきなり」



華月のいきなりの問い掛けにカンナは赤くなった。




「カゼは私の事をそんな目で見てないよ。私はカゼが大好きだけど」


「かんなちゃんは美人だから大丈夫よ。風くんもカッコいいから2人が付き合ったら美男美女のお似合いカップルになるわね」


「華月さんの方が美人だよ。それに私とカゼよりキヨとイノリの方がお似合いよ。相思相愛だと思うし」



カンナの言葉を聞いた華月は、申し訳なさそうな表情を浮かべた。




「今日で勉強教えて貰うのも最後か。華月さん結婚するんだものね。赤ちゃんもいるし、幸せでしょ?」



カンナの問いに華月は首を横に振った。




「…私のお腹のいる子は祈の子よ。生まれてみないとわからないけど」

「え?イノリ!?」

「そう。私と祈は体だけの関係を持っていたの。…全ては私の無理強いなんだけどね」

「イノリが…華月さんと?…」

「この事は美月には言わないで。美月が知ってしまったら、あの子生きていけないと思うから」



カンナは思った。



イノリがキヨを大切にするのに恋愛対象に見ないのは

キヨの面影に華月を見てしまうからなのかと…。





華月が好きなワケじゃない。

でも過去の過ちを思い出したくはない。




だからイノリはキヨに心の距離を作るのだろう。