祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

重なる頬が濡れている事に気付いたキヨは、腕をイノリの頭に回し、イノリのフワフワの髪を撫で始めた。



「もう勝手にいなくならないから泣かないで。ずっとイノリといるからね」

「…っ。キヨがいないのは嫌だ…」



寝ぼけているからなのか、初めてイノリが見せる弱い姿にキヨは愛しさが込み上げてきた。




「………飯。行こう」

「ぎゃあああ!!びっくりした!カゼ、いきなり覗かないでよ!!」



布団の隙間から顔を覗かせるカゼに驚いたキヨ。


キヨの悲鳴を聞いたイノリは、パッチリと目を覚ました。




「…あ?何だ、キヨ。寝込みを襲ったな!?」

「はぁ!?イノリが勝手に引き込んだんでしょうがっ!」



布団の中で騒ぐ2人。


カゼが布団を剥ぐと、浴衣がはだけたイノリを襲っているような格好をしているキヨ。



キヨは真っ赤になると、イノリの顔に枕を押し付けた。



「やめろっ!窒息するだろ!!」

「イノリのバカ!変態!!」

「変態はお前だ!!早くどけよ」




お腹が鳴っているカゼは騒ぐ2人を引っ張りながら、朝食を取りに向かった。