祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

暫く砂浜でじゃれていた2人は空腹感を覚え、ホテルへと戻る事にした。



「ただいま。カンナ、二日酔いの薬買ってきたよ」

「ありがとう。ケンにもあげて」



キヨはカンナに薬と水を渡すと、ケンも青ざめている事に気付く。




「私とケンは朝食抜かすから、3人で食べてきて」

「カンナとケン、食べなくていいの?お腹空くよ?」

「今食べたら吐いちゃうもの。だから私達の事はいいから、イノリ起こして行ってらっしゃい」



キヨは心配そうにカンナとケンを見た後、カゼと共に布団を頭まで被っているイノリを揺すりだした。




「イノリ朝だよ!起きて〜」



どんなに揺すっても呼び掛けても、イノリは起きない。


キヨがくすぐろうと布団を捲った瞬間、キヨは布団の中に引き込まれた。




「うわっ!びっくりしたぁ…。何だ、イノリ起きてたの?」

「ふざけんな…」

「へ?」



布団の中は暗くて何も見えない。

イノリの表情は見えなくても、怒っているのだと声色でわかる。




「なんで怒ってるの?無理矢理起こしたから?…イノリ低血圧だもんね」



キヨは冗談混じりに呟くが、イノリの声色は変わらない。




「俺に黙ってどこ行ってた?」

「どこって、二日酔いの薬買いに行ってたんだよ。カゼと」

「ふざけんなよ…。なんでいねぇんだよっ!朝…起きたらいないから……俺…」

「え!?えぇっ!!イノリ泣いてるの!?」



キヨが布団を剥ごうとすると、イノリは上に跨っているキヨを抱きしめた。




暗がりの中、感じるのは鼓動と吐息。


キヨは内に秘めてきた欲望を感じた。