祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「私、監視員の人呼んでくる!!」



カンナとケンは監視員を呼びに駆けていった。


イノリは息を整えながらキヨの頬を何度も叩く。



「キヨ!!キヨ!!!!」

「…〜〜っ!げほっ…!!ゴホゴホッ!!」

「………水吐いたから大丈夫かな」



うっすらと目を開けたキヨは、心配するイノリの顔を見ると泣き出した。




「うわぁぁぁん!!イノリ〜」

「悪かった。お前から目を離した俺が悪い。ごめんな」

「………ごめんね、キヨ」




イノリはキヨの背中をポンポンと叩くと、優しくキヨを抱っこした。









「そういえばそんな事もあったね」


「………昔からイノリはキヨの事になると命懸けだからな」


「そんな無茶してイノリが死んじゃったらどうするのよ。イノリの為にも私、もっとしっかりしなくちゃね」


「………大丈夫。イノリは今のままのキヨが好きだから。何も変わらなくていいんだよ」




カゼはフッと微笑むと、砂山をパンパンと叩いた。




「イノリってあんなんだけど、保育士とか向いてそうだよね。何気に面倒見いいから」

「………キヨだからだよ。キヨ以外の面倒は見る気ないと思うよ」

「ふふっ。イノリ、私のパパみたいね」




キヨとカゼは大きな砂山を作ると、せーのっと掛け声をかけ砂山を壊した。