祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「………海といえば、小学生の頃5人で市民プール行った時、キヨ溺れたよね」

「え!?そうだっけ?」

「………うん。イノリが死に物狂いで助けたんだよ」




それは5人がまだ小学生の頃。


夏休みに近くの市民プールへとやってきたキヨ達は、準備体操をするとプールへと飛び込んだ。




「夏といったらプールだよね♪」

「ケン、プールの中で小便すんなよ」

「するか!」



流れるプールに身を委ねているとカゼがある事に気付いた。




「………あれ。キヨは?」

「キヨなら泳げねぇからシャチのボートに跨ってたけど…」



4人が後ろを振り向くと、キヨが乗っていたボートがひっくり返っているのが見えた。




「え?ちょっと…あれキヨの…」



カンナとケンが青ざめると、イノリとカゼが水の中に潜りキヨを探し始めた。



暫くキヨを探していると沈んでいるキヨを見つけたイノリ。



キヨの腕を掴んで引き上げようとするが、まだ小学生のイノリには水の抵抗に適わない。



息が苦しくなってもイノリは掴んでいる手を離す事なく、必死にキヨを引っ張った。



そこにキヨを探していたカゼがやってきて、2人に引っ張られたキヨは引き上げられた。



「…ぷはっ!げほげほっ…!!」

「イノリ!!大丈夫!?」

「はぁはぁ…俺はっ……大丈夫。それよりキヨ…」




4人がキヨを見ると、キヨはぐったりとしていた。