祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

キヨがきょろきょろと食べたい料理を探していると、誰かにぶつかった。



「きゃっ…!すみません……ってイノリじゃん」

「気をつけろよ。きょろきょろしてっと転ぶぞ」



イノリはそう言うとキヨのトレーを持つ。




「俺が持っててやるから好きなの乗せろ」

「ありがとう、イノリ」

「ったく、まだまだ子供だなキヨは。…子供といえばお子様用のメニューはあっちにあったぞ」

「うるさい!もう大人だもん」



キヨは口を尖らすと、自棄になって皿に色んな料理を山盛りによそった。



イノリとキヨが席に戻ると、カゼがよそってきたらしい料理がテーブルに沢山並べられていた。



「…おい、カゼ。お前食える分だけ持ってこいよな」

「………全部食べるよ」

「こんな量の料理、お前の体のどこに入るんだよ!」

「………胃かな」



カゼに溜め息をついたイノリとキヨが席に座ると、ケンが2人にビールを渡す。




「よっしゃ♪乾杯しようぜ」

「私ビール飲めるかな?」

「その前に俺ら未成年だぞ」

「細かい事は気にすんなって。5人の初旅行なんだからさ」



ケンに言いくるめられた4人は渋々ビールを受け取ると、グラスを高く掲げた。




「では卒業と初旅行とこれからする上京を祝して…カンパーイ♪」

「カンパーイ!!!!」




5人はグラスを重ねるとビールを口に含んだ。