祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

キヨとカンナが浴場から出ると、浴衣を着た男3人が卓球をしていた。



「何、温泉卓球なんて有りがちな事してるのよ」

「キヨ浴衣可愛い〜♪カンナも似合うね!そうだ、ダブルスやろうぜ。俺とキヨ、カゼとカンナチームで」



ケンがそう言うとイノリはケンを殴り、ラケットを奪い取った。



「ケンは審判だ。ほら、やるぞ」

「酷いよ!俺、キヨとチームになりたいのに」



喚くケンをよそに4人はダブルスを始めた。




「イノリ、卓球出来るの?」

「俺は何でも出来るんだよ。キヨと違ってな」

「私だって卓球くらい出来るわよ!!見てろよ〜トリャ!」



キヨがサーブを打つと、球はネットに跳ね返りイノリの額に当たった。




「…お前、卓球のルール知ってるのか?」



額を押さえながら怒るイノリをよそに、4人は笑っていた。




暫く卓球に熱中していた5人は、ロビーに置いてあるマッサージ機に並んで座った。



「あー、気持ちいい♪」



5人がマッサージ機の優しい振動に身を委ねていると、カゼが付属のリモコンをいじり始めた。


その瞬間。



「ぎゃあああ!!痛――いっ!!!!」



カゼのリモコンに反応した5人のマッサージ機は、揉みが強くなりキヨ達は叫び出した。




「カゼ!!お前何した!?」

「………間違えて強ボタン押しちゃった」

「カゼのバカぁ!背骨折れるかと思ったじゃない!!」



4人は体の至る所をさすりながら、カゼを睨む。




「何でカゼは平気な顔してるのよ。痛くないの?」

「………うん。気持ちいいよ」

「どこの爺さんだ、お前は」



カタカタとマッサージ機に揺られるカゼを見た後、5人は夕食の時間になり指定されたレストランへと向かった。