ホテルに着いた5人は絡まった髪を手ぐしでとかしながら、ロビーに入った。




「うわぁ…大きなホテル。ロビーも広ーい」

「………夕食のバイキング楽しみだね」

「もう、カゼは食べる事ばっかりだなぁ」



イノリとカンナが宿泊の手続きをしている間、キヨとカゼはホテルの中を駆け回っていた。




「おい、そこのガキ2人!部屋に行くぞ」



イノリに呼ばれたカゼとキヨは、荷物の持ち手を一緒に持ちイノリ達についていく。



5人一部屋のその部屋は広くて綺麗な和室だった。




キヨとケンは部屋を物色し、カゼは部屋に用意されているお菓子を食べ始める。




「本当は2部屋取った方がいいかなって思ったんだけど、私達なら別にいいわよね。男と女って変に意識してないし」


「そうだよ、カンナ。みんな一緒がいいし。…って事でキヨ、今夜一緒の布団で寝よう♪」



ケンがキヨにそう言うと、イノリはケンに部屋に置いてあるポットを投げた。




「旅行に来てまで喧嘩しないでよ。折角の5人の初旅行なんだからケンも変な事言わないの」



カンナに怒られたケンは渋々頷いた。