これから始まる憧れだった東京での新しい生活は



私達にとって

残酷で
悲惨で
幸福で…



5人の関係が

こんなにも絡み合ってしまうなんて思いもしなかった。




そして…

当たり前のようにそばにいた大切な人が死んでしまうなんて…







〜回想編・完〜









高校を無事卒業し、上京する前に5人は卒業旅行へとやってきた。




「たまにはみんなで遠出するってのもいいもんだね」


「だね。…でもさ、さっきから人の目が気になるんだけど」




只今電車に乗っている5人。


向かい合わせになっている4人用の席しか空いていなく、キヨはイノリの膝の上に座っていた。



その為、他の乗客の視線が痛かったのだ。




「恥ずかしいなら寝たふりでもしてろ」

「折角の旅行なのに寝たりしないもん!」

「大丈夫よ、もう駅に着くから」



騒がしい5人を乗せた電車が駅に着くと、5人はレンタカーを借りホテルを目指した。




「寒い!なんで夏でもないのにオープンカーなんか借りたのよ!!」

「気分が出るからだよ♪夏だったらよかったね」

「わかってるなら普通車借りなさいよね!」



何故か屋根のないオープンカーを借りてきたケン怒鳴るカンナ。



風に舞う髪を押さえながら、5人はケンが運転する車に揺られていた。