祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

教室に着くと案の定、カゼは同級生と下級生の女子に囲まれた。



「倉木くん、写真撮ろう」

「………写真好きじゃない」

「風〜♪ネクタイ頂戴」

「………あげちゃった」

「倉木先輩、メアド教えて下さい!」

「………俺、電話しかしないよ」



沢山の女の子に囲まれているカゼは、喜ぶでも愛想を振り撒くでもなく、興味が無さそうにただ立っているだけだった。




キヨとカンナがあまりの女子の多さに呆気にとられていると

2人の後ろからケンが不満そうな声を漏らした。



「何でカゼなんかがモテるんだろうね!確かに顔は整ってるけど無愛想だし、無関心だし…授業中なんていつも寝てるしさ!!それに…」

「ケン!!カンナが…」



カゼの悪口を言うケンをキヨが止めると、2人はカンナを見た。

カンナはギロリとケンを睨む。



「カゼなんかですって?あんたカゼを馬鹿にしたらどうなるか、わかってるんでしょうね」

「すみません!!カンナ様!!」



ケンがカンナにペコペコと頭を下げていると、キヨはふとイノリがいない事に気が付いた。