祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「あーあ。もう完璧遅刻だな」



イノリは携帯で時間を確認すると呟いた。




「でさ、結局なんでなの?ニケツ通学の理由って」


「あぁ。確か俺らが中学ん時、変質者がよく出没するって噂流れてただろ?それを聞いてキヨを心配した俺のお袋が、キヨとニケツして行けって言ったのが最初だ。それからニケツが当たり前になって、今に至る」



そういえばそうだったね。と言った顔をする4人。


キヨに対して過保護なのはイノリの母もだった。




「祭ちゃんは優しいからね」

「キヨにだけは何故かな」

「………危なくて見てられないからね」

「どういう意味よ、カゼ!!」




5人は騒ぎながら学校に着いた。



本当だったら、5人は別れるはずだった。


もし別々の進路を選んでいたら、今日の卒業式をこんな風に笑って迎える事など出来なかった。





「卒業式始まっちゃってるね。どうする?」

「どうするって言われても、今から入るのは気まずいわよね…」



5人は体育館の扉から中の様子を見て、ヒソヒソと話していた。