祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「…わかってる。キヨはイノリが好きなんだってわかってるよ。でも、もしかしたら何かの弾みで俺を好きになってくれるかもしれない。そう思うと諦められなくて」


「………うん。何があるかなんて分からないからね」


「カゼはどうなんだよ。そういえばカゼの恋愛沙汰なんて聞いた事ないけど」


「………何もないよ」




カゼはそう言うと、お雑煮の入っていた器をケンに突き出した。




「おかわり?おかわりならキヨ達によそってきた分の食べていいよ。起きたらまた持ってくるから」

「………全部食べちゃった」

「は!?もう5人分食べちゃったの!?」



カゼが頷くと、ケンは呆れながらおかわりを取りに行った。




気がつくと外はすっかり明るくなっていて、朝日が部屋に差し込んでいた。


カゼが朝日に照らされて眠っている3人を見ると、ケンにつつかれていたキヨの頬は赤く点々と跡が付いていた。



「………ああ。イノリに殺されるな、ケン」




案の定、高校3年生の新年の朝。

目覚めたイノリにボコボコにされるケン。




イノリが起きるまで

あと…5時間。