祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「くっ〜イノリめっ!!寝てる時まで彼氏面しやがって!!」



ケンは唸りながらもキヨの頬を触るのを止めない。


すると、お雑煮の匂いを嗅ぎつけたカゼがムクッと起き上がった。




「………エッチ」

「うぁっ!!びっくりしたぁ〜…いきなり起きないでよカゼ!!」

「………寝込みを襲うのはよくない」



カゼは体を引きずりながらテーブルに近付くと、手を合わせいただきますと呟き頷いた。




「カゼ、お腹空いてるの?さっきイノリが買った綿飴とかたこ焼き食べてなかったっけ?初詣行く前はキヨんちで、年越しそば3杯もおかわりしてたし」


「………足りない」


「その細い体のどこに入るんだよ」



ケンはカゼの胃袋に驚いている間も、ずっとキヨを触っていた。

そんなケンをお雑煮を食べながら見たカゼは呟く。




「………イノリが怒るよ」

「別にいいじゃん!!キヨはイノリの彼女じゃないんだし。イノリばっかり狡いよ」

「………ケンはキヨが大好きだね」

「当たり前だろ。ずっと昔からだもん」




カゼは餅を口と箸で伸ばす。