祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「サンキュー♪」



ケンは嬉しそうに甘酒を飲む。



「私もおみくじ5つ引いたの。だからこの中から引いて」

「みんなちゃんと5人の事を考えてるのね」



キヨがおみくじを取り出すと5人は『せーの』と掛け声をかけ、おみくじを引いた。


おみくじを開くと全員が大吉だった。




「すげぇ。ある意味キヨがすげぇよ!!」

「本当よ。みんな大吉なんて幸先がいいわね」



5人はおみくじを枝に結びつけると神社を後にした。



夜明け前の街は、空気が冷えていて寒い。



「もう4時か。どうする?帰るか?」

「うーん。そうだなぁ…あっ!!土手っ。土手行って初日の出見ようよ」

「あーっ、いいね」



ケンの意見を聞いた5人は、凍てつく手に息をかけながら土手までの道を歩いた。



遮る建物のない土手は冷たい空気に風が吹き、5人の体から体温を奪っていく。




「寒ーいっ!!ありえないっ!!」

「甘酒飲んだから少し体あったけぇけど、カゼから甘酒貰わなかったらもっと寒かったな」

「日の出って何時くらいかな?こんな所に何時間もいたら凍死しちゃうよ」



ケンがガタガタ震えながら問うとキヨ達は首を傾げる。



「6時くらいかな?」

「あと約2時間もあるじゃん!!絶対無理!!…俺んちでお雑煮食べてまったりしようよ」



寒さに耐えられなくなった5人はお雑煮という言葉に吊られ、ケンの家へと向かった。