祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「イノリは俺だ。間違えるなよなバカが」



イノリはキヨの腰に腕を巻くと、再び眠りについた。


くっついて眠る2人の写真を、母が撮っていた事などイノリは知らない。






そんないつものように騒がしいクリスマスが過ぎると、次の行事である大晦日がやってきた。


5人はキヨの部屋で年越しそばを食べながら騒いでいた。




「カゼ!お前、俺の煙草に落書きしただろ!?」

「………うん。明日の正月にちなんで、おみくじにしてみた」



イノリの煙草には大吉・中吉・小吉・凶と一本一本に書かれていた。




「煙草で遊ぶんじゃねぇよ!!…ったく」



イノリがカゼに怒鳴ってる中、ケンとカンナは共に大晦日の特番を観ていた。




「いや〜今年も終わりますなぁ。…俺もいつか紅白出たいな」

「毎年言ってるわよ、それ」

「いいの!必ずキヨへのラブソングをあのステージで歌うんだから!!」



ケンは告白にも聞こえるセリフを言ってキヨを見ると、キヨはイノリとカゼと楽しそうに笑いながら煙草おみくじを引いて遊んでいる。




「キヨ!!今の聞いてた!?」

「へっ?何か言ってた?」

「だからねっ!!いつかはあのステージでキヨに…」




ケンが言いかけるとカゼがその言葉を遮った。