祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

カゼがキヨのほどけかけているマフラーを結び直していると、2人がいる土手にカンナとケンがやってきた。



「カンナとケン!どうしたの?」

「ケンから聞いたわよ。あんた達、東京の大学受験するって本当!?」



カゼとキヨは頷く。




「でも東京の大学ってレベル高くない?大丈夫なの?…しかも上京までするなんて」


「………東京の大学もピンからキリまであるよ」


「カンナ。私ね、ワガママだってわかってるけど…みんなとバラバラになるなんて嫌だよ。でも、みんなが歩むべき道は違う。でも私は将来の夢なんてまだ決まってない。だから甘えだってわかってるけど、カゼについていく事にしたの」


「………キヨの夢は昔から誰かさんのお嫁さんだもんね」



カゼの言葉に赤くなるキヨをカンナが抱きしめた。


我が子を抱く母のように強く優しく、そして温かく。




「カンナ?」

「私もキヨと離れたくないよ。…だから私もキヨ達と同じ大学受けるわ」

「えっ!?でもカンナは頭いいし、通訳になるって夢があるのに…」

「あんた達の中では頭いいかもしれないけど、一般的に見ると普通よ?それに夢は私の頑張りでどうにでもなるわ」



全国共通模試でいつも上位に入っているカンナ。

カンナなら六大学にだって余裕で入れるはず。



でもカンナは高学歴よりもキヨ達との繋がりを選んだのだった。




「私がいないとあんた達やっていけないでしょ?キヨから目を離すなんて恐くて出来ないわよ」


「――っ!!カンナぁぁっ!!」



キヨは泣きながらカンナに抱きついた。