祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

土手に着くとカゼはキヨを降ろした。

遮る物のないその場所は冷たい風が吹き荒ぶ。




キヨは体を縮こませながら冬の澄んだ夜空を見上げた。




「………願い。叶うよ」

「うん。お願いしてみる」



キヨは目を瞑ると願いを呟き始めた。


宝石のように輝く星達が彼女を包み込む。




「……これからも…私とカゼとカンナとケン、そしてイノリの5人でいられますように…。誰一人として、欠けたりしませんように」



キヨは願いを言い終えると目を開き、夜空を見上げた。

星達が微笑んでくれているように見える。




「………うん。叶うよ」


「ありがとう、カゼ。カゼはいつも優しいよね。凄く嬉しいんだよ?…だからカゼには何でも話そうって思える」


「………俺の中でキヨは守らねばならない存在だからね」


「何それ。危なっかしいから?私が甘ったれで泣き虫な子供だから?」


「………可愛いから」




カゼはキヨの頭を撫でる。


カゼの優しさが心に染みて、キヨは何だか泣きたくなった。




「昔さ、ここでカシオペア座見つけた時、カシオペア座のWになってる5つの星は私、イノリ、カゼ、カンナ、ケンの星だって言ってたよね」

「………うん。あそこにあるよ」




2人は冬の空に輝くカシオペア座を見つめた。