祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

怒鳴られると思ったケンは耳を塞ぐ。


しかし、イノリはただ体を起こし再びキヨに寄りかかるだけだった。




「……?やっぱりおかしいよ、今日のイノリ」

「だから眠いだけだって言ってんだろ」



4人がイノリの異変に気付いた時、鈴木がキヨの前に現れた。


鈴木を見たイノリは眉間に皺を寄せる。




「清田さん、ちょっといいかな?」

「あなたは………誰だっけ?」



キヨが首を傾げると、鈴木はガックリと肩を落とした。




「キヨ、同クラの鈴木くんよ」

「黒花さんは知っててくれたんだね。よかった」

「ごめんね、私いつもカンナ達といるから他人に興味がなくて」



キヨがそう言うと、鈴木はイノリをチラッと見た。




「…清田さんは北山と同じ事言うんだな」


「イノリと?何が?」


「さっき川鳥のライブやってる時、俺ステージ裏に行ったんだ。そこで北山と話した時に北山も俺の事知らなくて、他人に興味がないって言われたよ」


「へぇ〜…。でもなんでステージ裏に来たの?ライブなら体育館で見た方が見やすいと思うけど」




キヨがそう言うと、鈴木は赤くなりながらキヨを見つめる。