イノリは一瞬悲しそうな表情を浮かべると、そのまま2人とは違う方向に歩いていった。
「カゼ、私イノリ捜してくるね」
「………うん、わかった。見つからなかったら電話して」
「うん。そうする」
キヨはカゼから離れると、再びイノリを捜しに走った。
体育館裏や倉庫、グラウンドまで捜したがやはりイノリはいない。
途方に暮れたキヨは屋上へと向かった。
「…イノリ、どこにもいないや。もしかしたらギャル達と楽しんでるのかも」
キヨはフェンスの手すりを握ると空を見上げた。
文化祭の賑わう声が聞こえる。
「っ…。意地なんて張らなければよかった。何を言われてもイノリといたいんだって言えばよかったよ…。最後の文化祭なのに」
キヨはそう呟くと、フェンスに寄りかかりながら座り込む。
この意地っ張りで可愛くない性格。
いい加減イノリも愛想尽かしただろうな…。
…どうしよう。
イノリには嫌われたくないよ。
イノリを失いたくない。
「…イノリを…誰かに取られるなんて嫌っ!!そんなの嫌だ」
私のものにならなくてもいい。
隣りにいてくれるだけでいい。
もう、ちっぽけな欲望くらい我慢出来る。
でも
お願いだから
誰かのものにもならないで…
今イノリが
私以外の誰かのものになって
隣りからいなくなったら……
私は
私の十数年分のこの想いは
存在は
何処へ…消えていくんだろう。
屋上に吹く風が心地良くて、キヨはいつの間にか眠ってしまった。
「カゼ、私イノリ捜してくるね」
「………うん、わかった。見つからなかったら電話して」
「うん。そうする」
キヨはカゼから離れると、再びイノリを捜しに走った。
体育館裏や倉庫、グラウンドまで捜したがやはりイノリはいない。
途方に暮れたキヨは屋上へと向かった。
「…イノリ、どこにもいないや。もしかしたらギャル達と楽しんでるのかも」
キヨはフェンスの手すりを握ると空を見上げた。
文化祭の賑わう声が聞こえる。
「っ…。意地なんて張らなければよかった。何を言われてもイノリといたいんだって言えばよかったよ…。最後の文化祭なのに」
キヨはそう呟くと、フェンスに寄りかかりながら座り込む。
この意地っ張りで可愛くない性格。
いい加減イノリも愛想尽かしただろうな…。
…どうしよう。
イノリには嫌われたくないよ。
イノリを失いたくない。
「…イノリを…誰かに取られるなんて嫌っ!!そんなの嫌だ」
私のものにならなくてもいい。
隣りにいてくれるだけでいい。
もう、ちっぽけな欲望くらい我慢出来る。
でも
お願いだから
誰かのものにもならないで…
今イノリが
私以外の誰かのものになって
隣りからいなくなったら……
私は
私の十数年分のこの想いは
存在は
何処へ…消えていくんだろう。
屋上に吹く風が心地良くて、キヨはいつの間にか眠ってしまった。

