祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「………キヨをバカにしたら俺もケンもカンナも、そしてイノリも許さねぇからな」



カゼはギャル達を睨むとキヨの手を引き、その場を立ち去った。


ギャル達が遠くで『倉木先輩カッコいい〜♪』と叫んでいる声が聞こえる。




「カゼ、ありがとうね。助けてくれて」


「………僻みなんて気にしちゃダメだよ」


「うん。でも本当に私なんかがカゼやイノリといるのっておかしいよね。カンナみたいに美人でも何でもない、ただの平凡女だもん。カゼ達の価値が下がっちゃうね」


「………何言ってるの?俺らが嫌々キヨといるとでも思ってる?」



キヨは俯いたまま何も答えない。




「………キヨ?キヨは自分が思ってるよりもずっと可愛いよ。それに5人の中からキヨがいなくなったら、俺らはただの根暗グループになる」


「根暗?ケンがいるでしょ」


「………ケンはバカなだけ。俺もケンもカンナも、イノリもキヨが大好きだよ。キヨの価値は俺らが一番知ってる。だから大丈夫。キヨはそのままでいて。キヨいないのは嫌だ」



口下手なカゼが優しく紡いでくれる言葉が嬉しくて、キヨはカゼに抱きついた。


そんなキヨをカゼは優しく抱きしめる。




それを見た周りにいた女子が、声にならない声で叫んでいたのは言うまでもない。