祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「キヨ?どうした、早く行くぞ」

「行かない!イノリなんか嫌いだもん!!」



キヨがそう叫ぶと、教室の中がシーン…と静まり返る。


すると、イノリが思いっきり教室の壁を殴った。




「あぁそうかよ!勝手にしろ!!」

「あ〜っ…待ってよ、祈」



ドアを力一杯開け、教室から出て行くイノリをギャル達は追う。


キヨがふるふると肩を震わせていると、カゼとカンナ、そしてケンが駆け寄ってきた。




「ちょっと…何ケンカしてるのよ。どうしたの?」

「………イノリは怒りっぽいね。カルシウム不足かな」

「キヨ大丈夫?」



心配そうな3人の顔を見ると、キヨは涙が込み上げてきた。




「だって…嫌だったんだもん。イノリが他の子とベタベタしてるのが嫌だったんだもんっ……それにあの子達、私とイノリは似合わないって…笑ってた」



泣き出すキヨを優しく抱きしめるカンナ。




「バカね。誰がどう見たってイノリに似合うのはキヨよ?少なくとも私はそう思うわ」


「うっ…ひくっ……カンナぁ〜」


「ほら、早くイノリを捜してきなさい。最後の文化祭なんだからいい思い出を作らないとね」


「………うん。イノリもキヨといたいはずだよ」


「俺もキヨと同じ休憩だったらよかったぁ〜。でも仕方ない。今回はイノリに譲ってやろう。早く行っておいで」




3人に背中を押されたキヨは教室から飛び出し、イノリを捜しに向かった。