祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

幼なじみ。
だから他の子よりはそばにいられる。


幼なじみ。
だから恋愛対象には見てもらえない。



長い時間を共にしたからこそ生まれる喜びと苦しみ。




キヨとカンナがため息をつきながら沈んでいると、ご飯を食べ終えた男3人が食堂から出てきた。



「お前ら何やってんだよ、こんな所で」

「食べるの早かったね、2人共」

「………早食いは消化に悪い」



キヨとカンナが男達を見ると、イノリとカゼが手を差し出した。




「ほら、キヨ。教室に帰るぞ」

「………カンナ。行こう」





いつか誰かに取られてしまうのではないか。

いつか隣からいなくなってしまうのではないか。




そんなくだらない不安ばかり募らせるクセに

結局その不安を取り払ってくれるのも愛する彼だけ。




どうか…

言い出したらキリのないこの欲を口にしたりはしないから


彼の中で私が他の子より特別でありますように…



今が幸せだから。





キヨとカンナはそんな事を思いながら、愛する人が差し出してくれる手を握りしめた。