祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

ランチを受け取った5人は空席を探す。



「カゼ、歩きながら食べるのやめなさい。行儀が悪いわよ」

「………お預けを喰らってる犬の気持ちがわかった気がする」

「犬って…。カゼは人間でしょ」

「………うん、多分」



ご飯が待ちきれないカゼは、歩きながらカレーを頬張っていた。


その後ろではまだキヨとイノリが言い合っている。




「私辛いの苦手なのにっ!!バカイノリっ!!」

「あーっ!しつけぇな!!そんな辛いのが嫌なら砂糖でも入れて食えよ!!」



ど突き合いながら騒いでいるキヨとイノリの元に女子がやってきた。




「北山先輩、こんにちは」

「あ?…誰?」

「酷ーい。マネージャーだったのにぃ。北山先輩らしいけど♪」



キャッキャッとイノリに群がる女の子達。



席についてご飯を頬張っているカゼにも女の子が話し掛けている。



「風くん」

「………はに?(なに?)」

「きゃーっ!!!!」



スプーンをくわえたまま、もぐもぐとご飯を頬張るカゼを見て女子達は叫ぶ。

イノリも中々戻ってこない。



キヨとカンナはムカムカしながら昼食を早めに食べ終えると、2人で食堂から出て行った。




「…カンナ、イノリって何気にモテるんだね。まぁ確かにあの俺様っぷりがマニアにはウケそうだけど」


「マニアって何よ。まぁイノリは背も高いし、男らしいからね。
…それよりカゼよ。モテるってわかってたけど、あそこまでとはね。…ご飯食べてるだけで騒がれる人なんてそうはいないわ」


「カゼは座ってるだけで絵になるからね、仕方ないよ」



キヨとカンナは食堂の前の壁にもたれながら話していた。