祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

カンナを第一走者にケン、カゼ、キヨと続きアンカーをイノリと決めた5人。



全員が定位置に着くとピストルの音がグラウンドに響き渡り、それと同時にカンナと共に第一走者達が走り出した。




「カンナ!!頑張れ〜!!」



カンナが群を抜いて1位のままケンにバトンを渡すと、ケンは更に2位以下の人達を離していく。


ケンもぶっちぎり1位のままカゼに繋ぐと、カゼは顔色1つ変えず爽やかに走っている。



「カゼ!!」

「………無理はしないで」



カゼはそう呟くとキヨにバトンを渡した。


キヨが足の痛みを感じながらも頑張って走っていると、大好きな低い声が聞こえた。



「来い!!キヨっ!!」



イノリの声は不思議。
イノリの存在が不思議。


ただその声で名前を呼んでくれるだけで

ただそこにいてくれるだけで全身から力がみなぎる。



早く近くに行きたくて
足よりも気持ちが先走っていく。




「イノリ!!」

「頑張ったな、キヨ。任せとけ」



イノリはキヨからバトンを受け取ると、アスリート並みの走りでそのまま1位でゴールした。



「やったぁ♪1位だ」



キヨがその場で飛び跳ね、よろけて倒れそうになるとカゼが後ろから支えた。



「………危ない」

「ありがとう、カゼ」



カゼはキヨを抱き上げると、ゴールで喜んでいるイノリ達の元へ歩く。