祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

土砂降りの雨が降るある日。


今日の5人はイノリの部屋でトランプをしていた。




「雨やまないね。雪は好きだけど雨って嫌だな」



キヨは外を眺めると昔の出来事を思い出した。




「小さい頃、私達“ちびっこレンジャー”って呼ばれてたよね」

「あぁ、よく覚えてたな」




まだ5人が幼稚園児の頃、雨の日に

キヨがピンク
イノリが赤
ケンが緑
カンナが黄色
カゼが青いレインコートを着て並んで歩いていた為


ちびっこレンジャーと呼ばれていたのだった。




「小さい頃は雨の日に外で遊ぶの好きだったけど、今はジメジメするから嫌い」

「髪も纏まらないしね」

「そうそう、湿った匂いもつくし!」



お洒落に気を使う年頃になったキヨとカンナは、雨の日のデメリットを愚痴り始めた。


そんな中突然、雷が落ちた。



「ぎゃあああああああ!!!!」



カゼ以外の4人はトランプを投げ、耳を押さえる。




「………近くに落ちたね。学校かな」

「なんでそんな平然としてんだよ、カゼは!」



突然の雷鳴に驚いて青ざめる4人とは違い、冷静なカゼは窓の外を眺めた。



「雷の落ちる音ってドヒャーンって聞こえるよね」

「何だ、そのマヌケな効果音は」



キヨとカゼは外を眺めながらドヒャーンドヒャーンと嬉しそうに騒いでいる。




「………雷って本当に雷様が太鼓鳴らしてる音かと思ってた」

「私も〜♪」

「んなアホな!!太鼓はあんな音じゃねぇだろ」



イノリが怒鳴った瞬間、再び雷が落ちた。




「ギャ――――ッ!!!!」

「………イノリがバカにしたから雷様が怒った」

「カゼは黙ってろ!!」



雷が遠ざかるまで、カゼ以外の4人は耳を押さえ机の下に潜っていた。





雨が葉を落とし
風が葉を吹きすさび

冬に向かいつつある、秋の日の出来事だった。