祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

息を切らしたイノリはベッドに歩み寄ると、キヨの手を握って眠るケンを蹴飛ばし、キヨを抱きしめた。




「…遅くなって悪かったな。もう大丈夫だ」



誰よりも心配そうな目でキヨを見つめるイノリ。


そんなイノリを見て優しく微笑むカゼとカンナ。




「イノリ、どこ行ってたのよ?」

「あぁ。山奥にある神社行ってた」

「キヨが早く治るようにお参りに行ってたの?」



イノリが赤くなって頷くと、カンナは大声で笑い出した。




「………ほら、当たった」

「あはは!イノリはキヨの事になると可愛い事するわよね。昔と変わらず」

「笑うな!!…キヨが苦しんでるのは嫌なんだよ。こいつはバカなくらい元気な方がいい」



イノリはそう言うとベッドに腰掛け、キヨの頭を撫でた。




「…まだ熱高いな。お前は季節の変わり目は必ず風邪ひくよな。…ふっ。可愛い顔して寝やがって」

「ぶぇくしょいっっ!!!!」

「………………」



イノリが愛しそうにキヨを見つめていると、キヨは大きなくしゃみをした。


たくさんの鼻水がイノリに掛かる。





「………もう少し可愛いくしゃみしろよ」