祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「あれ、イノリは?」



キヨはイノリがいない事に気付くと、カゼに問い掛けた。




「………家寄ったんだけど、いなかった」

「そっか…。どこ行ったんだろ?」


「………探してこようか」

「ううん!カゼ達が来てくれただけで満足だから大丈夫」



キヨはカゼに微笑むと、薬を飲んでいるせいか眠気に襲われ、目を閉じた。



カンナがひんやりと濡らしたタオルを持ってくる時には、既にキヨは苦しそうに息をしながら眠っていた。




「キヨ、辛そうだよ〜…俺が代わってあげたい」



ケンはキヨの手を握りながら涙目になる。




「ところで本当にイノリはどこに行ったのかしら。こんな時に」

「………多分、山」

「山!?なんでそんな所にいるのよ!!」

「………もう少ししたら来るよ。イノリの事だから」



カゼがそう呟くと、誰かが階段を駆け上ってくる足音が聞こえてきた。


部屋に入ってきたのはイノリ。



「………ほら、来た」