祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「カゼ、大丈夫?」

「………うん。リハビリも終わったからもう普段どおり生活出来るよ」



カゼが入院している間、4人は毎日お見舞いに来ていた。

今日はカゼの退院の日。



カゼは驚異的な回復を見せ、リハビリも順調だった為、予定よりもかなり早く退院する事が出来た。




「………病院食は量が少なくて嫌だった」

「そこかよ!!」

「じゃあ美味しい物食べに行こうか」



ケンの言葉にカゼが頷くと、キヨはカゼに麦わら帽子を被せた。




「退院祝いにカゼにあげる」

「………ありがとう、キヨ。でも小さいよ」



カゼは笑うとキヨに帽子を被せ直した。




「………はい。マネージャー頑張ってくれたごほうびにあげる」

「あはは!ありがとう、カゼ」



5人はその後、行きつけのラーメン屋さんでカゼの退院祝いをした。



高校最後の夏が終わってしまったカゼだが、満足していると言ってくれた。

4人に勝った試合が見せられたから…と。







悲しさや悔しさ、楽しい事以外の気持ちも分け合える彼らはお互いが何よりも大切だった。



そう思える存在がいる事が、幸せなんだという事を知った夏の終わり。



空に向かって咲いていたひまわりも、夏と共に枯れた。