祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「なっ…何とかならないんですか!?このまま諦められるわけないじゃないですか!最後なんですよ!?」

「カンナ……」



必死に医師に何か方法を考えさせようとするカンナ。

しかし医師は首を振るだけ。




「………カンナ、もういいよ。仕方のない事だ」

「でもっ…!!」

「………俺は諦めが早いから大丈夫。…着替えてくる」



カゼはそう言うと足を引き吊りながら医務室から出て行った。


4人がカゼの後を追うと、ロッカールームから何かを殴っているような物凄い音が聞こえてきた。



その音はカゼの本音、カゼの叫びに聞こえた。




暫くして音が止むと、4人はロッカールームに入った。



カゼは頭を下げてベンチに座っている。

まるで夏の終わりに頭を下げるひまわりみたいに。




4人は誰も何も話さず、ただカゼに寄り添って座った。


悔しさと悲しさを分け合った5つの背中は小刻みに震えていた。






カゼのいないサッカー部は、全国大会の初戦で敗退したと聞いた。



カゼの夏は終わった…