祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

高校最後の夏のある日、珍しくキヨの家に1人で来たカゼ。




「へ?カゼ。今何て…」

「………うん。二泊三日で部活の遠征があるんだけど、その時だけマネージャーになってって言った」

「何で私なの?」

「………俺がキヨがいいから」



カゼが所属するサッカー部は、カゼがいるというだけでマネージャー志望の女の子が沢山いる。



しかし、キヨ達の高校でまぁまぁ強いサッカー部は女子マネージャーを取っていない。


だからカゼはキヨに一時マネージャーを頼んだのだった。




「…わかった。カンナはテニス部だし、私は高校に入ってからは帰宅部で暇だしね。それにカゼの頼みだから、いいよ。私マネージャーやるよ」

「………ありがとう、キヨ」

「でも何すればいいの?」

「………ご飯作ったり洗濯するくらいだよ。あと試合があるから、スコア取ったりドリンク作るくらい」



キヨが頷くと、カゼはキヨの頭を撫で家に帰っていった。





それから数日後。

キヨはカゼ達サッカー部と共に海が見える合宿所にやってきた。



「わぁ〜海だ。久しぶりに見たなぁ」

「………いつも山ばかりだからね」



バスに揺られているキヨとカゼは窓から顔を覗かせていた。




「………キヨ、マネージャーの件イノリに話した?」

「うん、話したよ?特に何も反応しなかったよ」

「………イノリは素直じゃないからね」



カゼは首を傾げるキヨの頭を撫でた。