祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

太陽が照りつける道を、いつものように5人で並んで歩いていた。



スイカの入った網をケンとカンナが一緒に持ち、麦わら帽子を被ったキヨの手を繋いで歩くイノリ。


その横で、アイスを食べていたカゼは何かを見つけ何処かに駆けて行った。




「あ?カゼはどうしたんだよ」

「美味しそうな物でも見つけたのかな?」



太陽の下、4人が汗を掻きながらカゼを待っていると、一輪のひまわりを持ったカゼが戻ってきた。




「カゼ、それ取りに行ったの?」

「………うん」



ケンの問い掛けに頷くと、カゼは茎から花を千切りキヨの麦わら帽子のリボンにくっつけた。




「わぁっ♪可愛い。ありがとう、カゼっ」

「何だ、てっきりひまわりの種でも食いたいのかと思った」

「イノリ、カゼはハムスターじゃないのよ?」



ひまわりを付けて貰えた事に喜ぶキヨを見たカゼは、再び何処かに走って行った。




「あ?またかよ。カゼはあのマイペースさを少し直して欲しいぜ」

「まぁまぁ。あれがカゼのいい所でもあるし」



4人はゆっくりと歩きながら話していると、誰かが駆けてくる足音がした。


4人が振り向くと、後ろには口が隠れてしまう程、両手いっぱいのひまわりを持ったカゼが立っていた。




「………はい。キヨにあげる」

「わぁ!すごいいっぱーい♪」



キヨが喜ぶとカゼはニッコリ微笑んだ。