祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「用意出来たよ」

「よし、じゃあ行くか。お前帽子被れよ。いつものボロい麦わら帽子。外は暑いぞ」



キヨは帽子を被るとイノリと共に家を出る。

2人は手を繋いで歩き出した。




高く登る太陽が照りつけ、蝉がけたたましく鳴いている。

次第に繋いでいる手も汗ばんできた。



「どこ行くの?」

「特に決めてない。ちょっと行った事のない所に行ってみたいなって思っただけだ」

「ふ〜ん。まぁ楽しそうだからいっか♪」



2人は十数年間育ってきた街の足を運んだ事のない道を歩いた。



キヨは小さい頃によく5人で探検ごっこをしたり、秘密基地探しをした時の事を思い出した。


その時のワクワクドキドキした感覚を感じながら、その頃から必ず隣にいるイノリを見つめていた。



暫く歩いていると、草が覆い茂った丘に着いた2人。




「見て見て、イノリ。線路があるよ」

「本当だな。何線の線路なんだろう。電車来る気配が全くねぇけど」

「だってこの辺の電車って1時間に一本しかないじゃない」



2人は丘に登ると線路の上を歩き始めた。