祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

カゼは浴衣のまま落ち、身動きが取りにくそうなキヨを抱き上げると、河原に上がった。



「濡れちゃった…」

「だから言わんこっちゃない」



イノリはキヨの浴衣の裾を絞ると自分の浴衣の帯を外し、浴衣を広げると中にキヨを入れた。




「イノリ、パンツ見えるよ?」

「俺らしかいないからいいんだよ。乾くまでここにいろ」



二人羽織りみたいな格好のキヨとイノリ。



5人は最後に線香花火をする事にした。


音が静かな線香花火は、先程まで花火の音にかき消されていた虫の声を強調させる。




「夏と言ったら線香花火だね♪これをするから夏って感じ」

「確かに見てると癒やされるし、夏ならではよね」



ケンとカンナは儚い火玉を見つめる。




「………あ。落ちた」



カゼの火玉が落ちると、他の4人の火玉も地面に落ち、光を消した。




「さてと、お開きにしますか」



ケンはそう呟くと、花火のクズを片付け始めた。



暫く河原に並んで立ち尽くしていた5人は、生ぬるい風を体に感じながら家へと帰っていった。




家に帰り、お風呂に入ったキヨが部屋で着替えていると、窓を叩く音がした。


カーテンを開けるとイノリが窓から顔を出している。



「何?覗き!?」

「バカ言うな!!キヨの部屋覗いて興奮するのなんてケンくらいだよ」



イノリがそう言うとキヨはイノリに向かって枕を投げた。