祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「ぎゃあああ!!髪がぐちゃぐちゃになるからやめて!!」



キヨがイノリの手を払うと、イノリはキヨを引き寄せキヨの頭に顎を乗せた。




「…他の男に気安く触らせるな。カゼだからいいものの」

「何それ。彼氏みたいな事言わないでよ!」

「お前の事になると余裕がなくなるんだよ!……浴衣姿とか犯罪級に可愛いし」



赤くなるキヨの頭に顎をゴツゴツとぶつけるイノリ。

そんなイノリの顔も真っ赤に染まっていた。




「お待たせ。買ってきたよ♪…って!!イノリ何してんのさ!?」

「本当よ。あんた達何やってんの?」



寄り添う2人を見たケンは嘆き、カンナはニヤニヤしながら呟く。




「キヨはチビだから顎乗せに丁度いいんだよ」



イノリがそう言うとカゼはイノリの顎を退かせ、後ろからキヨの頭に顎を乗せた。



「………本当だ。丁度いいね」

「もー!!カゼまでイノリの真似しないでよ」



暫くふざけ合った5人は花火を始めた。


静かな暗い河原に浮かぶ光と煙。




「うぁぁ!!バカっ!!イノリっ…俺にねずみ花火投げるなよ!!」

「悪い、見えなかった」

「ぜってぇわざとだろ!!」




イノリは逃げ回るケンに向かって何個もねずみ花火を投げていた。