「そうだ。今日七夕でしょ、土手に天の川見に行かない?」



カンナの意見に賛同したキヨ達は走って土手へと向かった。



イノリはキヨの手を繋いで走り、その後をキヨの麦わら帽子が飛ばないよう押さえるカゼ、カンナ、ケンが追う。



蛙や虫の鳴き声が響く土手は、風に草が揺られている。



5人は並んで草むらに寝そべると夜空を見上げる。

空にはいつもに増して星が輝いていた。




「あ!短冊書くの忘れてた!!どうしよう、年に1度の七夕なのに」

「星に願えばいいだろ。あんなに腐る程あんだから」

「そっか!イノリ頭いいね♪」



キヨは星を見つめると、願いを呟き始めた。




「…例え5人がバラバラになっても……またいつかここに集まって、5人並んで天の川が見れますように」



キヨの願いを聞いた4人は笑い出した。

笑われたキヨは頬を膨らます。




「そんな願いしなくても大丈夫よ。私達がバラバラになるなんてありえないでしょ」

「そうだぞ、キヨ。お前は背が伸びますようにとでも願ってろ」

「………うん。離れないよ」



笑っていた5人だが、知らぬ間に手を繋いでいた。




この先訪れる未来なんて誰にも予測は出来ない。

だから恐かった。




いつかこの関係に別れが訪れてしまったら…


そう考えると恐くて仕方がなかったのだ。