2人が外に出ると3人はキヨに抱きついた。




「やっぱり泣いてたのね。ごめんね、一人にして」

「カンナ…留学してたんじゃないの?まだ1日も経ってないよ?」

「空港まで行ったんだけどね、キヨが心配で先生に頼んで帰ってきたのよ」



カンナがキヨの頭を撫でると、ケンがニカッと笑った。




「俺もキヨに会いたくてライブの途中で抜けて帰って来ちゃったよ♪」

「………俺もキヨが泣いてる気がしたから勝手に帰ってきた」


「ケンとカゼまで。本当にいいの?みんな後で怒られたりしない?」



キヨが4人を見ると4人は優しく微笑んだ。





「キヨが泣くくらいなら怒られた方がマシだよ」

「そうよ、私達がキヨに会いたかったんだから」

「………うん。キヨを一人になんかしない」

「お前は変な心配しなくていいから、素直に喜べ」



優しすぎる4人を見たキヨは、涙を流しながら微笑むと呟いた。




「みんな、おかえり」












この4つの存在がいつも私を救ってくれる。



私にはこんな素敵な幼なじみが

親友が


“家族”がいてくれるんだもの。



もう寂しくないよ。







静寂に包まれていた世界に、夏を知らせる虫の声が響き始めた。