祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「何、カゼ?」

「………俺がキヨに手を差し伸べるから大丈夫」



カゼが差し伸べている手の親指をグッと立てると、キヨは笑った。



キヨはカゼには何でも話せるし、例え迷子になっても正義感の強い優しい彼が見つけてくれる。

そう思った。





「………戻るか。あんまりキヨを独り占めしてるとヤキモチ妬くのがいるから」

「ん?誰が妬くの?」

「………イの付く人」



カゼはフッと微笑み立ち上がると、キヨの腕を引き、キヨを立たせた。



カゼはジーパンの後ろポケットに手を突っ込み歩き出す。




「あっ、カゼ」

「………ん?」



キヨに呼ばれたカゼが振り向くと、キヨは血が出てるカゼの頬にキスをした。


カゼは目を見開いて固まる。





「早く治るおまじない♪さっ、みんなの所に戻ろ」


「………イノリにバレたら殺されちゃうね。…嬉しいからいいけど」




カゼは鼻歌を歌うキヨの後ろを歩きながら、優しく微笑んでいた。