祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「…………げほっ」



カゼは咽せりながらも後ろにいるキヨを庇う。




「どうした!?彼女の前でカッコつけたいんだろ?イケメンだからって調子に乗るなよ!ほら、来いよ!!」

「………じゃあ遠慮なく」

「やだっ!!カゼ…」



男と取っ組み合いながら殴り合うカゼ。


いつの間にか周りには人だかりが出来ていた。




傷だらけになるカゼを見ていられなくなったキヨが2人に駆け寄ると、男が振り上げた腕に当たり弾き飛ばされてしまった。



「………!!キヨっ!!!!」



カゼがキヨを抱き上げると、頬を赤く腫らしたキヨは気を失っていた。



そのキヨを見たカゼは、生まれて初めて何かがキレる音がした。










「……ん」

「………気がついた?」



キヨが目を覚ますと、風の音しか聞こえない誰もいない静かな場所にいた。




「いたた…。カゼ、大丈夫?いっぱい殴られてたけど…」



キヨがカゼを見ると、カゼは悲しそうな顔をしながらキヨを抱きしめた。