祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

迷子になったキヨ。


まさか大きくなった今でも迷子になるなんて思わなかったキヨは

何故だかわからないが、世界の中で迷子になってしまった気分になった。




「イノリどこぉ…?」



きょろきょろしながら歩いていると、キヨは強面の男にぶつかった。


その衝撃で男が持っていた酒が男の服にかかる。




「どこ見て歩いてんだ!?酒が服に掛かっちまったじゃねぇか!!」

「すみません。人を探してて…」

「彼氏に逃げられたってか?お兄さんが相手してあげようか。くくっ」



男がキヨの腕を掴むと、男は悲鳴をあげた。




「…っ!?カゼ?」



男の後ろにいたカゼが、男の腕を締め上げていたのだった。



「いてててっ!離せっ!!」

「………汚い手でキヨに触るな」



カゼは男の手を払うとキヨの前に立ち、キヨを自分の後ろに隠す。



男はカゼに締め上げられ痛む腕をさすると、カゼを睨みつけた。



カゼの目も鋭く男を睨みつけている。




「何だ兄ちゃん、やろうってのか?お前が負けたらそこの姉ちゃん連れて行くからな」

「………キヨは渡さない」

「言っとくがガキだからって手加減はしないからな」



そう言うと男はカゼの腹を力任せに殴った。