祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「…イノリ」

「ん〜?何だよ」

「チューしたい…」

「は!?やだよ!何言ってんだ!!」



イノリに拒否されたキヨは拗ねると、イノリの背中に額を付け再び泣き始めた。




「〜〜っ!!あー!わかったよ!!1回だけだぞ!!」



真っ赤になったイノリの頬にキスをしたキヨは、満足したのかイノリの背中に顔をつけて眠った。




「…ほっぺかよ。まぁいいけど」



キヨをおぶったイノリはカゼ達の元に戻ると、キヨをおぶったままみんなで家へと帰って行った。







「ふふっ。懐かしいなぁ」



キヨは昔を思い出しながら笑うと、イノリ達の元へ戻ろうとした。


しかし、同じような桜道にキヨは自分がどこから来たのかがわからない。




「…ん?私どこから来たんだっけ。あれ?」



キヨは辺りを見渡すが見覚えのある物がない。