「僕、どうしたの?ママとはぐれちゃったのかな?」
泣きじゃくりながら頷く男の子を抱き上げると、キヨは男の子に笑顔を向けた。
「大丈夫だよ。お姉ちゃんが探してあげるから。だから泣かないで」
キヨは男の子を抱っこしたまま、人々で賑わう場所を歩き回った。
「…あ!ママ!!あれママだ」
キヨは男の子が指差す方に向かって歩くと、男の子を探している母親の近くに歩み寄り、男の子を降ろした。
2人の再会を見届けたキヨは、昔自分が迷子になった事を思い出した。
それはまだキヨが小学校低学年の時。
山の中でイノリ達とかくれんぼをしていたキヨは、綺麗なアゲハチョウを見つけ、蝶々に気を取られ追いかけていると4人とはぐれてしまった。
「…あれ、イノリ…?ケン?カンナ?…カゼ?」
イノリ達がいない事に気付いたキヨが辺りを見渡すと、そこは来た事のない場所だった。
静かで木々に覆われた暗いその場所が恐くなったキヨは泣き出した。
「うわーん!イノリぃ―!!イノリどこーっ!?」
キヨの叫びは虚しくその場に響くだけ。
鳥が羽ばたく音に驚いたキヨは、よろめいた衝撃で転んだ。
擦りむいた膝からは血が流れ、じんじんと痛み始めた。
泣きじゃくりながら頷く男の子を抱き上げると、キヨは男の子に笑顔を向けた。
「大丈夫だよ。お姉ちゃんが探してあげるから。だから泣かないで」
キヨは男の子を抱っこしたまま、人々で賑わう場所を歩き回った。
「…あ!ママ!!あれママだ」
キヨは男の子が指差す方に向かって歩くと、男の子を探している母親の近くに歩み寄り、男の子を降ろした。
2人の再会を見届けたキヨは、昔自分が迷子になった事を思い出した。
それはまだキヨが小学校低学年の時。
山の中でイノリ達とかくれんぼをしていたキヨは、綺麗なアゲハチョウを見つけ、蝶々に気を取られ追いかけていると4人とはぐれてしまった。
「…あれ、イノリ…?ケン?カンナ?…カゼ?」
イノリ達がいない事に気付いたキヨが辺りを見渡すと、そこは来た事のない場所だった。
静かで木々に覆われた暗いその場所が恐くなったキヨは泣き出した。
「うわーん!イノリぃ―!!イノリどこーっ!?」
キヨの叫びは虚しくその場に響くだけ。
鳥が羽ばたく音に驚いたキヨは、よろめいた衝撃で転んだ。
擦りむいた膝からは血が流れ、じんじんと痛み始めた。

