「イノリはキヨと結婚しないの?」


「まぁ…いずれは。でも凄いよな、当たり前に連れ添った幼なじみと結婚するなんてさ。生まれてから死ぬまで、ずっと一緒にいるって事だぜ?どんだけ一途だよ」



イノリは煙草を欲しがる口にパイポをくわえさせた。




「…ねぇイノリ。私達はずっと一緒にいた。今更別々に暮らすなんて私は考えられないの。だから…」



イノリは満たされないパイポを口から離すとカンナを見た。




「だから…結婚してもみんなでここで暮らさない?2つの家庭が1つ屋根の下で過ごすなんて楽しそうじゃない?」


「ふっ…。確かにな。大家族みたいで楽しそうだ。そんな家庭、きっといないぞ」


「私達は幼なじみというより家族みたいなものでしょ。だからずっと一緒にいよう。…カゼもそれを望んでくれているはず」



カンナはリビングに飾られている写真を見つめた。




昔から愛してきた大切な男性。
勿論、今でも愛している。