「………昨日一緒にいた兄貴の奥さんと不倫してるんだ」
「えっ!?不倫!?」
キヨは目をまん丸にしながらカゼの顔を見つめた。
「………最低だろ?でも好きになったものは仕方がない。心が諦めてくれない限り、俺はどうする事も出来ない」
「お兄さんは知ってるの?」
「………俺が彼女を好きな事は知ってる。昔からだから」
「昔?昔って小さい頃からってこと?私、あの人知らないよ」
キヨは疑問に思い、カゼの顔を覗く。
「………彼女はイトコなんだ。兄貴と同い年で5歳年上。小さい頃からいつも優しくしてくれてた」
カゼは昔を懐かしむかのように優しい表情で話していた。
「………でも彼女は兄貴を選んだ。同じ顔をしてるのに…兄貴を選んだ」
「カゼ…」
悔しそうに手のひらを握り締めるカゼの拳を両手で包むキヨ。
長年一緒にいながら、彼の想いに気付けなかった自分を恨んだ。
「………キヨはさ、もしイノリが他の誰かと結婚したらどうする?」
「え?」
「………泣く?奪い去る?式をめちゃくちゃにする?」
イノリが誰かと結婚したら…
「祝福する。イノリの前でだけは」
心の中では祝福なんか出来っこないけど
大切だから、大好きだから
最高な特別な日にイノリが幸せであるよう願ってあげる。
本当は奪い去りたい
式をめちゃくちゃにしたい
そう思うだろうけど
そんな事をした地点でイノリは私のものにはならないから…。
「………キヨは優しいね」
「まぁ実際そうなったら何をするかは分からないけどね。でもきっと、一生イノリに告白なんか出来ないだろうから、現実問題になりそうだけど…」
「………恋人になったら始めは幸せだけど、その幸せに慣れて欲ばかりが増える。だから人は別れるんだよ」
「それって片思いのままの方がいいって事?」
「………形のない物は壊れないからね」
形のない物は壊れない
だからカゼは恋人でも夫婦でもない不倫の道を選択したのだろうか。
「えっ!?不倫!?」
キヨは目をまん丸にしながらカゼの顔を見つめた。
「………最低だろ?でも好きになったものは仕方がない。心が諦めてくれない限り、俺はどうする事も出来ない」
「お兄さんは知ってるの?」
「………俺が彼女を好きな事は知ってる。昔からだから」
「昔?昔って小さい頃からってこと?私、あの人知らないよ」
キヨは疑問に思い、カゼの顔を覗く。
「………彼女はイトコなんだ。兄貴と同い年で5歳年上。小さい頃からいつも優しくしてくれてた」
カゼは昔を懐かしむかのように優しい表情で話していた。
「………でも彼女は兄貴を選んだ。同じ顔をしてるのに…兄貴を選んだ」
「カゼ…」
悔しそうに手のひらを握り締めるカゼの拳を両手で包むキヨ。
長年一緒にいながら、彼の想いに気付けなかった自分を恨んだ。
「………キヨはさ、もしイノリが他の誰かと結婚したらどうする?」
「え?」
「………泣く?奪い去る?式をめちゃくちゃにする?」
イノリが誰かと結婚したら…
「祝福する。イノリの前でだけは」
心の中では祝福なんか出来っこないけど
大切だから、大好きだから
最高な特別な日にイノリが幸せであるよう願ってあげる。
本当は奪い去りたい
式をめちゃくちゃにしたい
そう思うだろうけど
そんな事をした地点でイノリは私のものにはならないから…。
「………キヨは優しいね」
「まぁ実際そうなったら何をするかは分からないけどね。でもきっと、一生イノリに告白なんか出来ないだろうから、現実問題になりそうだけど…」
「………恋人になったら始めは幸せだけど、その幸せに慣れて欲ばかりが増える。だから人は別れるんだよ」
「それって片思いのままの方がいいって事?」
「………形のない物は壊れないからね」
形のない物は壊れない
だからカゼは恋人でも夫婦でもない不倫の道を選択したのだろうか。

