祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「カゼ?珍しいね、バイト先に来てくれるなんて」


「………うん。俺、今日バイトないから。イノリやケンのバイト先じゃ暇潰し出来ないし、ファミレスに1人じゃ気まずいからカンナの所もやだし」



カゼは珈琲を啜りながら呟く。

キヨはそんなカゼにマフィンを持ってきた。




「これ私の奢り。バイト終わるまで待っててくれるんでしょ?」

「………うん。そのつもり」




カゼがコクンと頷くとキヨはカウンターに戻っていった。


カゼは煙草を吸いながら接客をするキヨを見ていた。







数時間後。

バイトを終えたキヨがカゼの元へやってきた。




「ごめんね、待ちくたびれたでしょ?」

「………大丈夫。俺待つの嫌いじゃないから。それに…」

「何?」

「………フリフリの制服着たキヨ見れたし。結構萌えた」




キヨは親指をグッと立てたカゼを見て笑う。



2人は並んで歩きながら駅を目指した。