祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

イノリは泣きじゃくるキヨを持ち上げて抱っこすると、そのまま家に向かって歩き始めた。




「…イノリ?なんであそこにいたの?」



キヨはイノリの首に抱きつきながら話す。




「お前を迎えに行ったんだよ。最近物騒だからな。何かあったら困るだろ」

「…ありがとう」

「いいよ。それより何もされなかったか?」



キヨが頷くと、イノリはギュッとキヨを抱きしめた。





「寝ろ。顔が疲れてるぞ。このまま家まで連れて行ってやるから寝ていいぞ」


「…家着いたらイノリの部屋で一緒に寝させてくれる?」


「あぁ。一緒に寝てやるから安心しろ」


「じゃあ寝る。おやすみ」




キヨはイノリの肩に頭を乗せると、眠り始めた。





「…ふっ。この甘ったれが。キヨは変わらずこのままでいろよな。……でも、甘えるのは俺だけにしろ」




イノリは優しく微笑みながら呟いた。