祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

上京する日。

5人はそれぞれの両親に挨拶をしに行った。




「美月ちゃーん!行かないで!!」

「うわーん!祭ちゃーんっ!!」




キヨはイノリの母と抱き合いながら泣いていた。


イノリはその光景を見て溜め息をつく。




「なんで実の息子よりキヨとの別れの方が悲しそうなんだよ!」

「だって美月ちゃんは私の可愛い可愛い娘のような存在だもの」




キヨから離れようとしない母を引き剥がすと、キヨの荷物を持ってイノリは歩き出す。



5人は新幹線が通る駅に向かう電車に乗る時間まで、よく遊んでいた土手や河原に足を運んだ。



新しい場所での生活を心待ちにしていた5人だが、18年間育んでくれた環境との別れを寂しく思った。




でも5人でいれば、どんな困難も乗り越えて行ける。



少し大人になった5人は、そんな気持ちを抱いて新たな世界に旅立った。